受け継ぐ技術と想い

私たちの記憶に残っている一番古い創業当時の手袋は、羊の革手袋。
この時代、革手袋といえば、丈夫で長持ち、リーズナブルな牛革が主流でした。
手袋に防寒・防護用品としての実用性が求められた当時にあっても、
クロダには「はき心地が大切」という信念がありました。
手にフィット感を生むために、しなやかさとやわらかさを求めて
高価だった羊革をどこよりもたくさん使用し、手袋を製造していたのです。
さらに、はき心地の追求は、指の部分の
“ピケ縫い”にも表れていました。革の表と裏を縫い合わせることで、
内側がごわつかず心地よさを生み出す縫製技法です。
縫い目が表に出るピケ縫いは、ごまかしが利きません。
難度がとても高く、手間もかかるため、技術継承が途絶えがちです。
クロダでは創業当時の想いを受け継ぎ、
職人がいまなおその技術を磨き続けています。